に投稿

はじめに

 「ラテンアメリカの現在」は、ラテンアメリカ・カリブ海地域での民衆の社会運動を軸に、その背景となる政治・経済的なニュースをピックアップして紹介するページです。

 2000年代以降、この地域では、新自由主義的グローバリゼーションに抗する社会運動の活発化と連動した「左派・進歩派政権」が台頭してきました。しかし2010年代になって次第に、左派政権の政策面での行き詰まりや右派勢力の巻き返しなどが起こり、ラテンアメリカ社会自身がいろいろな意味で分岐してきています。
 とりわけ、米国ではトランプ政権による介入主義的な対応が強まり、各国内でも権威主義的な政治の傾向が顕著になっています。

 こうした情勢の複雑な変化を踏まえつつ、ラテンアメリカ社会が現在から未来にわたってどう変化していこうとしているのかをできるだけ事実を踏まえ、読み解きながら考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

【記事一覧】
ペルー 大統領の辞職と政治的危機の構図(2020年12月1日)
チリ 憲法議会選挙をめぐって(2020年11月26日)
ボリビア 新大統領の就任演説(2020年11月18日)
チリ、憲法改正の是非を問う国民投票(2020年10月31日)
ボリビアの総選挙について(2)最終結果の公表(2020年10月25日)
ボリビアの総選挙について、左派勢力の勝利へ(2020年10月23日)
キューバの二重通貨問題について(2020年10月15日)
キューバの労働事情(賃金編)(2020年9月29日)
キューバの労働事情(就労編)(2020年9月27日)
コロナ禍のキューバ社会(2020年9月16日)
コロナ禍、債務問題に苦しむアルゼンチン(2020年8月31日)
コロナ禍のラテンアメリカ・カリブ地域(2020年8月18日)
〈危機〉の中のベネズエラ(2020年8月4日)
ベネズエラ、増加する感染者と経済状況(2020年7月27日)
スペインの最低生活所得とベーシックインカム(2020年7月21日)
メキシコ、感染症対策と「新しい日常」、サパティスタの声明(2020年7月6日)
キューバ、感染症対策と経済活動の再開(2020年6月26日)
ペルー、感染拡大から見える社会の矛盾(2020年6月19日)
ブラジルの緊急援助とベーシックインカム(2020年6月12日)
感染拡大が続くブラジル(2020年6月4日)
「コロナ禍」のラテンアメリカ(2020年5月28日)
キューバ、感染症と国際連帯(2020年5月18日)
ボリビアの行方とパンデミック(2020年5月11日)
キューバ、憲法改正から1年(2020年5月4日)
抗議するチリ、そしてパンデミック(2020年4月27日)

(雑誌『アジェンダ』でも「ラテンアメリカの現在―分岐する世界の中で―」というタイトルの連載記事を書いています。)

に投稿

ペルー 大統領の辞職と政治的危機の構図

 今年11月に入って、ペルーでは1週間のうちに2人の大統領が辞職し、3人目の大統領が就任するという事態に陥りました。「政治的危機」と呼ばれる今回の出来事の背景には何があるのか、繰り返される大統領交代の舞台裏を探ってみたいと思います。

に投稿

チリ 憲法議会選挙をめぐって

 現在、来年4月11日に実施が予定されている憲法草案を起草する憲法議会を構成する代議員の選出プロセスをめぐり、与野党が駆け引きをしながら国会内で議論が行われています。同時に、憲法議会に参加しようとする社会運動組織(個人も含む)からも立候補の条件に関する要求が出されています。この記事では、これまでに何が決まっていて、新たにどのようなことが議論されているのか、わかる範囲で見ていきたいと思います。

に投稿

ボリビア 新大統領の就任演説

 11月8日、新しい正副大統領の就任式が国会で行われました。選挙に勝利した社会主義運動(MAS)に所属するルイス・アルセ氏とデビッド・チョケワンカ氏が宣誓した後、それぞれ就任演説を行いました。

 ルイス・アルセ新大統領は、30分近い演説の中で、昨年10月に行われた大統領選挙の結果をめぐって起こった「政変」に乗じる形で11月に成立したアネェス暫定政権が、その後の1年間、国内の平和的安定を実現できず、また総選挙の即時実施を行わなかったことを厳しく批判するとともに、民主主義と経済の再建が新政権にとって喫緊の課題であることを強調しました。以下、新大統領が演説で何を訴えたのか、抜粋しながらまとめてみます。

に投稿

チリ、憲法改正の是非を問う国民投票

 10月25日(日)、チリで憲法改正の是非を問う国民投票が実施されました。これは、一年前に始まった「社会的爆発」と言われた社会運動の一つの帰結として設定されたものです。

 ピノチェト軍事独裁時代に制定され、民政移管後に改正された現在の憲法は、軍事独裁期の負の遺産であり、新自由主義政策が作り出した現在の社会的不平等の源であるとして抜本的に改正すべきだという要求が強まったからでした。