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ボリビアの行方とパンデミック

1.2019年10月大統領選挙の実施と結果

 2019年10月20日、総選挙(大統領、国会議員)が行われました。10月25日に最高選挙裁判所(TSE)が公表した大統領選の最終結果は以下のとおり。

 モラレスの得票率47.08%、過半数には届かなかったが、2位のカルロス・メサの36.51%を10.57ポイント上回り、決戦投票なしでモラレスの勝利を認定。

 当選基準は、①得票率5割以上か、②得票率4割以上かつ2位との差が10ポイント以上のいずれかで、今回は②の条件を満たしていたかが焦点となりました。

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キューバ、憲法改正から1年

 2019年4月10日にキューバの新しい憲法が施行されてから1年が経過しました。この日、第9期・全国人民権力議会・第2回特別国会が開催され、ラウル・カストロ(共産党中央委員会第1書記)が新憲法の公布を宣言しました(官報に公示)。

 まず、今回の改憲に至る経過を時系列で簡単に振り返ってみます。

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抗議するチリ、そしてパンデミック

 南米チリでは、2019年10月から政府・政治家に対する民衆の異議申し立ての闘いが燃えあがりました。この「社会的爆発」とも呼ばれる闘争はなぜ生まれ、チリ社会は今後どこへ向かおうとしているのか、その背景について読み解いていきたいと思います。

1.「目覚めた、チリは目覚めた!」(出来事の推移)

 人々の怒りが爆発した直接のきっかけは、サンティアゴの首都圏交通の地下鉄運賃値上げ(10月6日から実施)でした。地下鉄運賃は時間帯で変化し、ラッシュアワーなどのピーク時に高くなります。今回は最高が800ペソから830ペソへの値上げでした。

 翌7日から中等教育の学生たちが、値上げに反対して自動改札を飛び越える無賃乗車デモを始めました。その後、カラビネロスと呼ばれる国家警察軍が駅を警備、学生との衝突が激化して駅施設などが破壊されました。駅は閉鎖され運行にも支障が出ます。

 18日、様々な地区で鍋などを叩いて抗議の意思を示す「カセロラソ」や道路でのバリケード封鎖が始まります。地区の若者たちも抗議行動に参加。地下鉄の駅への襲撃(火災も発生)だけでなく、商業施設やスーパーマーケットなどでの略奪行為も起こりました(全国へ拡大)。

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はじめに

 「ラテンアメリカの現在」は、ラテンアメリカ・カリブ海地域での民衆の社会運動を軸に、その背景となる政治・経済的なニュースをピックアップして紹介するページです。

 2000年代以降、この地域では、新自由主義的グローバリゼーションに抗する社会運動の活発化と連動した「左派・進歩派政権」が台頭してきました。しかし2010年代になって次第に、左派政権の政策面での行き詰まりや右派勢力の巻き返しなどが起こり、ラテンアメリカ社会自身がいろいろな意味で分岐してきています。
 とりわけ、米国ではトランプ政権による介入主義的な対応が強まり、各国内でも権威主義的な政治の傾向が顕著になっています。

 こうした情勢の複雑な変化を踏まえつつ、ラテンアメリカ社会が現在から未来にわたってどう変化していこうとしているのかをできるだけ事実を踏まえ、読み解きながら考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

(雑誌『アジェンダ』でも「ラテンアメリカの現在―分岐する世界の中で―」というタイトルの連載記事を書いています。)