説明
社会問題を考える総合雑誌「アジェンダ」2020年秋号です。
今号の特集では、新型コロナウイルスが半年で日本社会に与えたインパクトについて、主に経済的な側面から具体的な検証を試みています。パンデミックを抑えるためにとられたさまざまな行動制限によって日本経済が大打撃を受けたことは間違いありません。しかしそれはコロナが真の原因というよりも、長年蓄積されてきた日本の政治・経済・社会の矛盾が噴出し、深刻化したものであることを明らかにしています。そしてコロナ対処の「最前線」である医療や、重症化リスクの極めて高い介護の現場からその現状と喫緊の課題について寄稿いただきました。労働現場についても公表された統計から読み取れる現状の問題をまとめています。そしてこのような中で政府が描く未来社会の一例=スーパーシティを批判する論考のほか、「経済成長の神話」に代わる「縮小社会」への試案や、ベーシックインカムを考える記事も掲載しました。連載エッセイ「時代の曲がり角で」は在日コリアンから見たコロナ禍の日本社会についてです。連載「ラテンアメリカの現在」でもコロナ禍のラテンアメリカをとりあげています。
【特集:感染症と向き合う社会】
・グラビア 命どぅ宝―辺野古に基地は造らせない!- 沖本富貴子/沖縄ドローンプロジェクト
<特集>
・山家悠紀夫(暮らしと経済研究室)
「この不況をどう見るか、どう対応するか」
・内田聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター〈PARC〉共同代表)
「スーパーシティ法の問題点」
・二橋芙紗子(京都府保険医協会 政策部会事務局主任)
「新型コロナ感染症に対応できる医療体制をどう整備すべきか」
・小島美里(特定非営利活動法人 暮らしネット・えん 代表理事)
「新型ウイルス感染症拡大と介護保険20年」
・谷野隆(本誌編集員)
「パンデミックで変わる労働の現場」
・松久寛(縮小社会研究会 代表理事)
「衣食住は足りている ─ 一〇年で化石燃料半減試案 ─」
・レポート アジェンダ京都主催オンライン講演会
「社会連帯経済としてのベーシックインカム」 講師 山森亮さん(同志社大学)
・書評 『5Gクライシス』 (緑風出版)
・コラム「監視国家」と「監視資本主義」に必要とされるもの
<その他記事>
・青柳純一(翻訳家・金起林記念会共同代表)
「韓国市民社会に学び、現代日本を思う ―6.コロナ災禍、戦後75年目の夏―」
・映画評 「マルモイ ことばあつめ」(オム・ユナ脚本&監督 2019年 韓国)
<連載>
・康 玲 子 時代の曲がり角で 第58回 新型コロナウィルスのニュースに思う(3)
・舘 明子(アジェンダ会員) Meikoのドレスデン滞在記(7)
・大橋さゆり(弁護士) 弁護士Oの何かと忙しい日々 第45回 弁護士会と(男女)共同参画の今・これから
・西尾 幸治(本誌編集員) ラテンアメリカの現在 第5回 コロナ禍のラテンアメリカ
・コミックアジェンダ 第33回 『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』
・シリーズ 農ある暮らしの作り方 第3回 カゲールさん 「水田家の食卓」を訪ねて
2020年10月15日発行 1冊600円(税別)
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