説明
社会問題を考える総合雑誌「アジェンダ」2024年夏号です。
ジェンダー平等を求める女性たちの闘いは、着実にこの日本社会を変えてきました。しかし構造化された女性差別は根強く残り、また再生産されてもいます。今号では女性差別の現状について、女性の政治家を増やすためクオータ制を実現させていこうとする動きや、労働現場における賃金格差などの問題、刑法改正など性暴力をめぐるこの間の社会の変化と今後の課題、選択的夫婦別姓制度の実現をめぐる現状のほか、先ごろ成立した民法改正—離婚後共同親権導入にあたっての課題、などを整理して取り上げました。また、「複合差別」としての「障害女性」が置かれている状況や、同性婚をめぐる訴訟のほか、科学技術政策にもジェンダーの視点を取り入れることの重要性を指摘するジェンダード・イノベーション(GI)についての記事も掲載しています。同時にトランスジェンダーをめぐる状況についても取り上げ、性の多様性が認められる社会を展望しています。
【特集 ジェンダー平等はいま】
グラビア 大阪コリアタウン歴史資料館 開館から1年
コラム 裏金問題
<特集>
・山崎摩耶(クオータ制を推進する会)
「政治の場におけるジェンダー平等の現状と展望―クオータ制導入の現在地」
・大沢真知子(日本女子大学名誉教授)
「何が女性の活躍を妨げているのか」
・熱田敬子(ジェンダー/社会学研究者)
「「私も」と言わずに始めるポスト#MeToo~共感ベースの反性暴力運動を越えて~」
・坂本洋子(NPO法人mネット・民法改正情報ネットワーク)
「国会と最高裁の不作為を問う 選択的夫婦別姓制度の一刻も早い実現を」
・谷野隆(本誌編集員)
「離婚後共同親権導入をめぐって」
・講演概要 縮小社会研究会 伊藤公雄さん(京都大学・大阪大学名誉教授)講演会
「ジェンダード・イノベーションの可能性―近代産業社会の行き詰まりを前にー」
・藤井悦子(本誌編集員)
「多様な性—トランスジェンダーを考える」
・資料紹介 『障害のある女性の困難~複合差別実態調査とその後10年の活動から』
・書評 『災害と性暴力』
・レポート (続)「現役自衛官セクハラ国賠訴訟」&「自衛官アンケート報告」(完全版)
<特集外>
・青柳純一(金起林記念会共同代表)
「韓国市民社会と学びあう日本市民(8) 韓国の四月総選挙と今後の日韓関係―「社会権先進国への提言」の紹介とともに」
<連載>
・康玲子 時代の曲がり角で 第73回 「歴史を刻むということ」
・大橋さゆり(弁護士) 弁護士Oの何かと忙しい日々 第53回 同性婚を認める必要・理屈と、認めない日本社会を巡って
・舘明子 アジェンダ的 つれづれ 気まま(10)
・西尾幸治(本誌編集員) ラテンアメリカの現在 第13回 アルゼンチン 公立大学を守る歴史的意義
・コミックアジェンダ 第48回 レコード大好き小学生カケル
挿絵 姜花瑛・たまりん
2024年7月25日発行 1冊定価660円(本体600円+税10%)
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