説明
社会問題を考える総合雑誌「アジェンダ」2022年秋号です。
今号では、ウクライナ戦争を受けてさらに加速されようとしている9条改憲をめぐる主な動きを特集しています。東アジアでは近年、米中対立の下で軍拡競争が激しさを増し、気付かぬうちにすでに「戦争前夜」のような状況を呈しています。その中で日本もまた、特に第二次安倍政権以降、自衛隊をより実戦的な部隊へと転換させ、同時に、日米同盟の強化=自衛隊を米軍の「一部化」させて、東アジアの軍事的最前線に立たせようとしています。こうした情勢について、安倍「国葬」や旧統一教会の問題を含む国会情勢、自衛隊の現状とともに、改憲を許さない市民運動の今後の課題について取り上げています。また、海外の難民支援の現場経験から9条の意義を訴える論考、「戦場」にされようとしている台湾や沖縄の人々の危機感や、郷土への強い思いを伝える論考やインタビュー、国際的に焦点となっている核兵器については北東アジア非核兵器地帯構想を取り上げています。
【特集 9条改憲は何をもたらすのか?】
・グラビア 民主主義のため、そして自主独立の主権のために闘う台湾の人々
・コラム 九条の碑
<特集>
・インタビュー 中野晃一さん(上智大学国際教養学部教授)
「「カルトと結びついた改憲は許さない」 軍拡競争よりも平和主義に基づいた冷静な議論を」
・池田五律(戦争に協力しない!させない!練馬アクション)
「国家安全保障戦略が想定する「新しい戦争」」
・三上智恵(映画監督・ジャーナリスト)
「ノーモア沖縄戦・迫る国土の戦場化」
・岩佐英夫(弁護士)
「実施段階に入る「重要土地等調査規制法」の危険性」
・インタビュー 駒込武さん(京都大学教育学研究科教授)/ 張彩薇さん・陳信仲さん(留学生)
「孤立無援で軍事的脅威にさらされている台湾の人々の心境への想像力を!」
・湯浅一郎(NPO法人ピースデポ代表)
「核兵器禁止条約が始動した今こそ、北東アジア非核兵器地帯を」
・千田悦子(UNHCR元専門職職員)
「日本国憲法(特に第九条)に守られて―海外現場経験からの考察―」
・書評 『自衛官と家族の心をまもる 海外派遣によるトラウマ』
・コラム 軍事費倍増がもたらすもの
・特集解題
<特集外>
・中村一成(ジャーナリスト)
「書く―ありうべき世界のために 《書評》康玲子著『時代の曲がり角で』」
・寄稿 青柳純一(金起林記念会共同代表)
「韓国市民社会と学びあう日本市民(2) 安倍銃撃事件と日韓市民社会の展望」
・映画評 「スープとイデオロギー」 ヤン・ヨンヒ 監督
・書評 『開発との遭遇』 アルトゥーロ・エスコバル著 / 北野収 訳・解題
<連載>
・康玲子 時代の曲がり角で 第66回 「民主主義よ」
・西尾幸治(本誌編集員) ラテンアメリカの現在 第11回 チリ、新しい憲法案の完成
・舘明子(アジェンダ会員) アジェンダ的 つれづれ 気まま(4)
・コミックアジェンダ 第41回 カラオケ行こ!
【挿絵】姜花瑛
2022年9月15日発行 1冊定価660円(本体600円+税10%)
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