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はじめに

 「ラテンアメリカの現在」は、ラテンアメリカ・カリブ海地域での民衆の社会運動を軸に、その背景となる政治・経済的なニュースをピックアップして紹介するページです。

 2000年代以降、この地域では、新自由主義的グローバリゼーションに抗する社会運動の活発化と連動した「左派・進歩派政権」が台頭してきました。しかし2010年代になって次第に、左派政権の政策面での行き詰まりや右派勢力の巻き返しなどが起こり、ラテンアメリカ社会自身がいろいろな意味で分岐してきています。
 とりわけ、米国ではトランプ政権による介入主義的な対応が強まり、各国内でも権威主義的な政治の傾向が顕著になっています。

 こうした情勢の複雑な変化を踏まえつつ、ラテンアメリカ社会が現在から未来にわたってどう変化していこうとしているのかをできるだけ事実を踏まえ、読み解きながら考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

【記事一覧】
チリ 憲法制定議会が始まる(2021年7月29日)
キューバ 抗議行動の社会的背景を考える(1)(2021年7月20日)
チリ フェミニズム運動がもたらしたこと(2021年6月30日)
チリ ジェンダー平等からみた制憲議会(2021年6月20日)
チリ 制憲議会選挙とジェンダー平等(2021年5月29日)
キューバ 経済的苦境の中の党大会(2021年5月18日)
ペルー 大統領選挙から見た政治的課題(2021年4月29日)
エクアドル 大統領選の結果と今後(2021年4月20日)
キューバ 通貨・為替の整備について(2021年3月22日)
エクアドル 大統領選挙の行方(2021年3月7日)
コロンビア くり返される労働組合員・社会活動家への暴力(2021年2月2日)
ベネズエラ マドゥーロ大統領の年次報告(2021年1月20日)
キューバ 来年1月から通貨・為替レートの統合を開始(2020年12月16日)
ペルー 大統領の辞職と政治的危機の構図(2020年12月1日)
チリ 憲法議会選挙をめぐって(2020年11月26日)
ボリビア 新大統領の就任演説(2020年11月18日)
チリ、憲法改正の是非を問う国民投票(2020年10月31日)
ボリビアの総選挙について(2)最終結果の公表(2020年10月25日)
ボリビアの総選挙について、左派勢力の勝利へ(2020年10月23日)
キューバの「二重通貨問題」について(2020年10月15日)
キューバの労働事情(賃金編)(2020年9月29日)
キューバの労働事情(就労編)(2020年9月27日)
コロナ禍のキューバ社会(2020年9月16日)
コロナ禍、債務問題に苦しむアルゼンチン(2020年8月31日)
コロナ禍のラテンアメリカ・カリブ地域(2020年8月18日)
〈危機〉の中のベネズエラ(2020年8月4日)
ベネズエラ、増加する感染者と経済状況(2020年7月27日)
スペインの最低生活所得とベーシックインカム(2020年7月21日)
メキシコ、感染症対策と「新しい日常」、サパティスタの声明(2020年7月6日)
キューバ、感染症対策と経済活動の再開(2020年6月26日)
ペルー、感染拡大から見える社会の矛盾(2020年6月19日)
ブラジルの緊急援助とベーシックインカム(2020年6月12日)
感染拡大が続くブラジル(2020年6月4日)
「コロナ禍」のラテンアメリカ(2020年5月28日)
キューバ、感染症と国際連帯(2020年5月18日)
ボリビアの行方とパンデミック(2020年5月11日)
キューバ、憲法改正から1年(2020年5月4日)
抗議するチリ、そしてパンデミック(2020年4月27日)

(雑誌『アジェンダ』でも「ラテンアメリカの現在―分岐する世界の中で―」というタイトルの連載記事を書いています。)

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チリ 憲法制定議会が始まる

はじめに

 7月4日(日)、チリで新しい憲法を起草するための憲法制定議会の初会合が開かれました。

 初会合では正副議長の選出とセレモニーが行われました。議長には先住民族マプーチェ族のエリサ・ロンコーン議員が、副議長には新興左派のハイメ・バッサ議員がそれぞれ選ばれています。

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キューバ 抗議行動の社会的背景を考える(1)

はじめに

 7月11日(日)、キューバで政府に反対する人々の抗議行動が起こりました。今回は、どうしてこのような抗議行動が起こったのか、その背景にどのような問題が影を落としているのかを考えてみたいと思います。

(1)7月11日の抗議行動(各種報道から)

 この日起こった事をいくつかの報道をもとにまとめてみると概略は以下のようです。

 最初に街頭での抗議行動が始まったのは、サン・アントニオ・デ・ロス・バーニョス市(アルテミサ県。ハバナ市から南西約30キロ)と、パルマ・ソリアノ市(サンティアゴ・デ・クーバ県)でした。時間は11時30分ごろで、SNSを介して行動が組織されたと報じられています。

 訴えているのは、新型コロナウイルス・パンデミックによる医療体制のひっ迫、頻発する停電、食料・医薬品などの生活必需品の不足に対する不満です。

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チリ フェミニズム運動がもたらしたこと

はじめに

 これまで2回にわたって、チリの憲法制定議会とジェンダー平等についての記事を配信しました。今回は、もう少しその背景にあるチリのフェミニズム運動との関わりについて考えてみたいと思います。

 ただし、なにぶんにも私自身が勉強途上であるため、内容の理解に不十分な点があることをはじめにお断りしておきます。

(1)2019年10月の社会的反乱とフェミニズム運動

 この記事を書くにあたって参照したのは、『チリは目覚めた。アンチ新自由主義の反乱』(編集・発行:Tinta Limón 2021年4月)というテキストです。

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チリ ジェンダー平等からみた制憲議会

はじめに

 前回の配信記事の続きです。5月に実施されたチリの憲法制定議会選挙の中で「パリテ(男女同数)制度」が選挙結果にどのような影響をもたらしたかについて報告しました。

 今回は、パリテ原則が適用された制憲議会で、「ジェンダー平等」についてどのような議論が行われることになるのかについて改めて考えてみたいと思います。

(1)ジェンダー平等からみた制憲議会議員のプロフィール

 チリの憲法制定プロセスを分析することが目的の「El Observatorio Nueva Constitución(新憲法観測所)」という公共政策の学者・専門家たちによる共同ウェブサイトに「男女同数議会=フェミニズム議会?」というタイトルの記事(5月24日付)が掲載されています。

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チリ 制憲議会選挙とジェンダー平等

(1)憲法制定議会選挙の実施

 5月15日と16日の両日にわたって、チリでは憲法制定議会(以下、制憲議会)の議員選挙が行われました(同時に、州知事や市長、市議会議員などを選ぶ統一地方選挙も実施されました)。

 元々は4月11日に行われる予定でしたが、新型コロナの感染状況を理由に延期されていました。今回選挙日が2日間に及んだのは異例ですが、これも新型コロナの感染拡大を防ぐため(人が密になるのを避ける)としています。ここでは、制憲議会選挙について見ていきます。