に投稿

はじめに

 「ラテンアメリカの現在」は、ラテンアメリカ・カリブ海地域での民衆の社会運動を軸に、その背景となる政治・経済的なニュースをピックアップして紹介するページです。

 2000年代以降、この地域では、新自由主義的グローバリゼーションに抗する社会運動の活発化と連動した「左派・進歩派政権」が台頭してきました。しかし2010年代になって次第に、左派政権の政策面での行き詰まりや右派勢力の巻き返しなどが起こり、ラテンアメリカ社会自身がいろいろな意味で分岐してきています。
 とりわけ、米国ではトランプ政権による介入主義的な対応が強まり、各国内でも権威主義的な政治の傾向が顕著になっています。

 こうした情勢の複雑な変化を踏まえつつ、ラテンアメリカ社会が現在から未来にわたってどう変化していこうとしているのかをできるだけ事実を踏まえ、読み解きながら考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

【記事一覧】
チリ 大統領選での左派候補の勝利(2021年12月30日)
チリ 大統領選が映す社会の実像(2021年11月30日)
人工妊娠中絶合法化への動き(2021年10月31日)
メキシコ 人工中絶を罰するのは「違憲」(2021年9月30日)
コロンビア 「全国スト」の継続した闘い(2021年8月31日)
キューバ 抗議行動の社会的背景を考える(2)(2021年8月21日)
チリ 憲法制定議会が始まる(2021年7月29日)
キューバ 抗議行動の社会的背景を考える(1)(2021年7月20日)
チリ フェミニズム運動がもたらしたこと(2021年6月30日)
チリ ジェンダー平等からみた制憲議会(2021年6月20日)
チリ 制憲議会選挙とジェンダー平等(2021年5月29日)
キューバ 経済的苦境の中の党大会(2021年5月18日)
ペルー 大統領選挙から見た政治的課題(2021年4月29日)
エクアドル 大統領選の結果と今後(2021年4月20日)
キューバ 通貨・為替の整備について(2021年3月22日)
エクアドル 大統領選挙の行方(2021年3月7日)
コロンビア くり返される労働組合員・社会活動家への暴力(2021年2月2日)
ベネズエラ マドゥーロ大統領の年次報告(2021年1月20日)
キューバ 来年1月から通貨・為替レートの統合を開始(2020年12月16日)
ペルー 大統領の辞職と政治的危機の構図(2020年12月1日)
チリ 憲法議会選挙をめぐって(2020年11月26日)
ボリビア 新大統領の就任演説(2020年11月18日)
チリ、憲法改正の是非を問う国民投票(2020年10月31日)
ボリビアの総選挙について(2)最終結果の公表(2020年10月25日)
ボリビアの総選挙について、左派勢力の勝利へ(2020年10月23日)
キューバの「二重通貨問題」について(2020年10月15日)
キューバの労働事情(賃金編)(2020年9月29日)
キューバの労働事情(就労編)(2020年9月27日)
コロナ禍のキューバ社会(2020年9月16日)
コロナ禍、債務問題に苦しむアルゼンチン(2020年8月31日)
コロナ禍のラテンアメリカ・カリブ地域(2020年8月18日)
〈危機〉の中のベネズエラ(2020年8月4日)
ベネズエラ、増加する感染者と経済状況(2020年7月27日)
スペインの最低生活所得とベーシックインカム(2020年7月21日)
メキシコ、感染症対策と「新しい日常」、サパティスタの声明(2020年7月6日)
キューバ、感染症対策と経済活動の再開(2020年6月26日)
ペルー、感染拡大から見える社会の矛盾(2020年6月19日)
ブラジルの緊急援助とベーシックインカム(2020年6月12日)
感染拡大が続くブラジル(2020年6月4日)
「コロナ禍」のラテンアメリカ(2020年5月28日)
キューバ、感染症と国際連帯(2020年5月18日)
ボリビアの行方とパンデミック(2020年5月11日)
キューバ、憲法改正から1年(2020年5月4日)
抗議するチリ、そしてパンデミック(2020年4月27日)

(雑誌『アジェンダ』でも「ラテンアメリカの現在―分岐する世界の中で―」というタイトルの連載記事を書いています。)

に投稿

チリ 大統領選での左派候補の勝利

 12月19日(日)にチリでは大統領選の決選投票が実施され、1回目の投票で2位であったガブリエル・ボリッチ候補が逆転勝利しました。

 今回、なぜ逆転勝利ができたのか、ボリッチ候補が目指すチリ社会の将来はどのようなものなのか、について見ていきたいと思います。

に投稿

チリ 大統領選が映す社会の実像

 11月21日(日)にチリでは総選挙(大統領、上下院、州議会)が行われました。大統領選を中心にその内容についてまとめてみます。

(1)大統領選挙の結果

 候補者7名で争われた大統領選の結果(得票率の高い順)は以下のとおりです(22日最終結果)。

に投稿

人工妊娠中絶合法化への動き

 困難な状況の下にありながらも、ラテンアメリカでは、人工妊娠中絶の合法化へ向けた動きが広がっています。刑事罰に問われることなく人工妊娠中絶が認められるようになったアルゼンチン(2020年末)や、一部の州ではあるものの合法化が認められるようになっているメキシコに続いて、コロンビアとチリでも合法化へ向けて進んでいます。

 今回は、スペインの「エル・パイス」紙の特集記事(2021年10月24日付電子版)を参照しながら、この地域での現状について触れてみたいと思います(メキシコの詳しい動向については、第41回配信記事をご覧ください)。

(1)ラテンアメリカで広がる「緑の波」

 人工妊娠中絶の合法化を求める女性たちの運動(緑の波:シンボルとして緑のバンダナ、スカーフを着用)がラテンアメリカ全体に広がりつつ、着実に成果を勝ち取っています。

に投稿

メキシコ 人工中絶を罰するのは「違憲」

 (1)最高裁による「歴史的判決」

 9月7日(火)、SNS上では、「#AbortoLegalMexico(ハッシュタグ・合法的中絶・メキシコ)」を付けて数多くの人たちが人工中絶に関してメキシコ最高裁が下した判決を歓迎しました。

 メキシコにとって「歴史的」とされる判決の中で、最高裁は、女性と妊娠中の人の決定権を侵害しているとして、自らの意思による中絶を罰するのは憲法違反であるとする判断を示しました。

に投稿

コロンビア 「全国スト」の継続した闘い

はじめに

 コロンビアでは4月28日以降、イバン・ドゥケ政権の政策に反対するデモ行動が全国の主要都市で継続的に行われてきました。

 各種の労働組合を中心に農民・年金者・学生団体が連携して全国ストライキ委員会(CNP)を立ち上げ、4月28日から「全国ストライキ」闘争を繰り広げています。

 コロナ禍であるにもかかわらず、多くの人々が結集した通りでは、「民衆がパンデミックの中、外に出て抗議するのは、新型コロナウイルスよりも政府の方が危険だからだ。」と書いたプラカードなどが掲げられました。