アジェンダ第88号(2025年春号)

¥660

特集  レイシズムと入管体制に抗してⅡ

説明

社会問題を考える総合雑誌「アジェンダ」2025年春号です。

 コロナ禍を経て、日本に在留する外国人の数が400万人近くにまで急増しています。すでに日本は事実上の「移民社会」であり、外国人がいなければもはやこの国の経済・社会は成り立ちません。しかし、政府はこの事実を直視することを避け、「人手不足」を背景に労働力として外国人を一層利用しようとする一方で、頑なに「移民は受け入れない」とする方針を改めようとしていません。こうした政府の姿勢は、社会の中にあるレイシズム、民族差別や人種差別を助長する役割を果たし、ヘイトスピーチやヘイトクライムを生じさせてきた大きな要因であることは否定できません。
 これに対して国内外から批判の声が高まり、一昨年、昨年と入管難民法をはじめ関連法が改定されました。今号の特集は、外国人もしくは外国にルーツを持つ人々との共生をめぐり、この国はどこに向かおうとしているのか、現状を検証しながら多民族が共生できる社会を創るための課題を明らかにし、その解決を探るものです。
 その際、一般に注目されがちな「ニューカマー」をめぐる問題だけではなく、日本の侵略・植民地支配に端を発する「オールドカマー」の在日コリアンや台湾人をめぐる歴史や、今日に至るまでの問題についても取り上げました。とりわけ在日コリアンに対して戦後、入管体制として制度化された監視・弾圧・追放政策が、今日に至るまでの民族差別的な入管行政の根底にあることは強調されるべきと考えています。「外国人の受け入れ」を、あたかも現在と将来の「新しい問題」として扱うのではなく、日本は近代化の過程で「送り出し国」でもあり、「受け入れ国」でもあった歴史ときちんと向き合うことが、「共生社会」を築く大前提になることを訴えています。

【特集  レイシズムと入管体制に抗してⅡ】

グラビア   一般市民の空襲被害を学び伝える 東京大空襲・戦災資料センター   千地健太
コラム     「トランプ2.0」と民主主義

<特集>
・前田朗(朝鮮大学校法律学科講師)
「差別禁止法を求めて―人種差別撤廃条約六〇周年を機に」

・インタビュー  髙正子さん(大阪コリアタウン歴史資料館館長)   
「共生の街・コリアタウンの歴史を伝え、未来を創る資料館をめざして」

・田中俊策(反差別相模原市民ネットワーク事務局長)
「怒りと落胆の相模原市・反人権条例―稚拙さ、幼稚さが生み出したこと―」

・レポート  「『京都朝鮮学校襲撃事件』 最高裁決定から10年」  
(さとう大  京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会 事務局長)

・新海智広(長崎人権平和資料館)
「長崎における朝鮮人・中国人被爆者」

・児玉晃一(弁護士)
「入管収容はどう変わったか?~改定入管法施行後の収容制度について~」

・小ヶ谷千穂(フェリス女学院大学教授)
「『移民社会日本』と『非移民国家日本』― パラレルワールドはいつまで続くのか」

・駒込 武(京都大学教育学研究科教授)
「日本における台湾ルーツの人々の戦後史(上)―『語られない歴史』をたぐりよせる―」

・レポート  「女性差別撤廃委員会の日本審査から移民女性の人権保障を考える」

・特集解題

<特集外>
・寄稿 青柳純一(金起林記念会共同代表)
「韓国市民社会と学びあう日本市民(11) 『“平和社会” への道』と沖縄 ―「朝鮮停戦体制」の終末期を生きる③」

・書評  『大学が壊す若者の未来』(李洙任著  評者 朴一)
・書評  『「沖縄報告」 ―辺野古・高江10年間の記録』 (沖本裕司著)
・レポート  「連帯ユニオン関西地区生コン支部京都事件 京都地裁で無罪判決!」

<連載>
・康玲子  「時代の曲がり角で 第76回 春のはじめに考えていること」
・舘明子  「アジェンダ的 つれづれ 気まま(13)」
・シリーズ  農ある暮らしの作り方  第9回 カゲールさん「ニホンミツバチとの共生の道を探る保護活動家の話」
・コミックアジェンダ  第51回 『これ描いて死ね』(作 とよ田みのる)  

挿絵  姜花瑛ほか

2025年3月25日発行 1冊定価660円(本体600円+税10%)

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書籍の種類

雑誌アジェンダ

特集トピック

レイシズム, 入管体制, 日本政治, 朝鮮半島, 台湾

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