説明
2021年4月25日発行 著者 戸塚悦朗 A5判 70ページ 定価660円(本体600円+税10%) ISBN978-4-434-28940-8
今、日本国内では、2018年の韓国大法院の判決以降、植民地期の徴用工や「慰安婦」制度被害者への賠償の問題をめぐって、1965年の日韓請求権協定の文言にのみ問題を矮小化し、「韓国の国際法違反」を批判する言説がまかりとおっています。日韓両政府の対立が深まる中、まるで被害加害関係が逆転したかのような歪な現状に対して、1910年の「韓国併合条約」や、安重根裁判の管轄権の正当性・合法性にかかわる1905年の「保護条約」に著者は着目。国際法を含めた長年の研究により、この「保護条約」が存在しなかったことを明らかにしました。本書では、日本社会に朝鮮植民地支配の本質について、広く問題提起すべく、この事実に関してわかりやすく解説しています。
「最悪」とも評される今日の日韓関係の改善のためには、韓国大法院判決が示した日本の朝鮮植民地支配の「不法性」の問題に、日本政府と日本の社会が真摯に向き合うことが不可欠なことを明らかにしています。
目 次
はじめに 1
第1章 日韓関係の危機の真因 5
本来は民間の民事事件/安倍首相の真意/理解できない謎/国会で起きたこと
第2章 植民地支配責任とは? 13
大法院判決の主柱/日本政府の立場
第3章 言葉の魔法? 29
「不法な植民支配」判断の重要性/論点のすり替え
第4章 植民地支配が「不法」なワケは? 35
<1905年11月17日付の「日韓協約」は存在しない>/この研究の派生効果
第5章 記録(記憶)が消えてゆく 41
歴代政権の歴史認識の深化/安倍政権の植民地支配に対する沈黙/菅直人首相談話(2010年)はどこへ?/歴史の忘却の時代と菅義偉政権/それではどうすべきなのか?
第6章 過去を未来につなぐには 45
「記憶・責任・未来」基金/過去を未来に引き継ぐ思想の共有/日本の潜在力への期待/あらたなアプローチ/安重根義軍参謀中将の遺墨との出会い/石碑が問いかけているもの/安倍晋三首相による戦後70周年談話(2015年)/応答責任を果たす/持つべき心構えとは?
あとがき 64
資料 66
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