アジェンダ第79号(2022年冬号)

¥660

特集 「公教育」をどうするか

説明

社会問題を考える総合雑誌「アジェンダ」2022年冬号です。

 学校をはじめとする「公教育」の現場は近年、大きな変化を余儀なくされています。社会全体に広がった新自由主義的施策に加えてコロナ禍の影響は非常に大きく、例えば前倒しで実施された「GIGAスクール構想」への対応において教育産業がどんどん現場に入り込み、「公教育の市場化」が急速に進んでいます。さらに「個別最適化された学び」が強調される中で「自己責任論」や「教育投資論」が強化され、学校現場での「分断と排除」も広がっています。しかし、これに対処する教員は、コロナ禍でこれまで以上に過労死ラインを優に超える多忙を極め、どこも深刻な人手不足が常態化しています。今号では、こうした学校教育の現場の状況の変遷を改めて検証しながら、こうなってしまった原因を探り、すべての子どもに平等に保障されるべき「公教育」に求められているものは何か、それを達成するために必要なものは何かを考えます。

【特集 「公教育」をどうするか】

グラビア  対決より対話こそ 日米共同統合演習キーン・ソード23~台湾・中国にもっとも近い与那国島から~
コラム   軍拡競争を止めるために

<特集>
・インタビュー 児美川 孝一郎さん(法政大学キャリアデザイン学部教授)
「市場ベースではない形の多様性こそが対抗軸になる」

・桜井 智恵子(関西学院大学人間福祉学部教授)
「子どもの「ニーズ解釈の政治」―学力向上と支援の完結型体制」

・西嶋 保子(日本教職員組合 労働局・女性部長)
「公立学校教職員の現状」

・インタビュー 小鍜治 啓さん(京都府教職員組合 執行委員長)
「教員の労働状況はあまりにも過酷です。公教育を守るために教育予算を増やして、残業手当を支給し、正規の教職員を増やすべきです。」

・インタビュー 伊賀 正浩さん(小学校教員)
「子どもたちの間に分断と排除が進行する学校で、教員が多忙で時間がないことが一番の問題です。」

・杉田 真衣(東京都立大学)
「教師は貧困問題にどう取り組んできたか」

・書評 『日本の教育 どうしてこうなった? 総点検・閉塞30年の教育政策』 
・特集解題   

<特集外>
・寄稿  青柳純一(金紀林記念会共同代表)
「韓国市民社会と学びあう日本市民(3) 「岸―安倍三代と統一教会」六〇年史」

・丸野佳代(アジェンダ会員)
「ドイツからの通信「ドイツの脱原発はいつになるのでしょう?」」

<連載>
・康玲子  時代の曲がり角で 第67回 「性教育、この大切なもの」
・大橋さゆり(弁護士)  弁護士Oの何かと忙しい日々 第50回  外国人労働者家庭の子どもと教育のこと
・農ある暮らしの作り方  第8回 カゲールさん 「着るものも自給できる! 糸紡ぎ教室の先生の話」 
・舘明子(アジェンダ会員)  アジェンダ的 つれづれ 気まま(5)
・コミックアジェンダ   第42回  税金で買った本

2022年12月15日発行 1冊定価660円(本体600円+税10%)

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