説明
社会問題を考える総合雑誌「アジェンダ」2023年冬号です。
気候危機対策を口実に「原発回帰」を打ち出した岸田政権。東電福島第一原発事故の教訓を忘れたかのように規制をゆるめ、40年超えの老朽原発の運転期間延長に加え、被災した東日本の原発の再稼働をも狙い、さらには「次世代炉」の開発までうたっています。しかし再エネの普及を妨げる点だけをとっても、原発は気候危機対策にはなり得ません。また、福島第一の廃炉作業ではデブリの取り出しは未だにほとんど進まず、その一方でいわゆる「汚染水」の海洋投棄によって、今後30年かけて環境を広く放射能で汚染し続けようとしています。使用済核燃料の処分をめぐる「核のごみ」問題の解決も先送りされ、コスト面から見てももはや原発に展望がないことは隠しようもありません。
今号ではこれら「原発回帰」の問題点を、福島や山口県祝島の現地取材などとも合わせて明らかにし、「原発のない未来をつくる」ことを強く訴えています。
【特集 原発のない未来をつくろう】
グラビア 祝島を訪れてーゆったりとした時が流れる瀬戸内のはっぴーあいらんど (写真と文 本誌編集部)
コラム 〈もうひとつの9・11〉 軍事クーデターから50年
<特集>
・インタビュー 大河原さきさん (汚染水の海洋投棄を止める運動連絡会)
「『処理水』安全神話が作り出されている。市民も政党も力を合わせて放射能の海洋放出を止めよう。」
・参加報告 ALPS処理汚染水差止訴訟 第2次提訴行動
・伴英幸 (原子力資料情報室共同代表)
「福島廃炉の現実から原発回帰を考える」
・松久保肇 (原子力資料情報室・事務局長)
「GXの下でゆがめられた原子力規制」
・インタビュー 後藤忍さん(福島大学大学院共生システム理工学研究科教授)
「原発事故の記憶と教訓をどう記録・継承するのか」
・レポート 「イノベーション・コースト構想」が推し進められる福島・浜通り
・レポート 原発・核燃からの撤退を2023関西集会
・レポート 原発・核燃サイクルの中止を求めて 省庁・全国市民・議員の院内集会
・アピール 舘脇章宏 (みやぎ脱原発・風の会) 「女川原発2号機来年5月再稼働阻止を!」
・藤井悦子(本誌編集員)
「祝島を訪ねて ゆったりした時が流れる美しいこの島に原発も核のゴミも押し付けないで」
・インタビュー 山戸孝さん(上関町議会議員)
・末田一秀 (「はんげんぱつ新聞」編集長)
「核ごみ問題 その場しのぎのツケはどうなる?」
<特集外>
・寄稿 青柳純一 (金起林記念会共同代表)
「韓国市民社会と学びあう日本市民・番外編 「国葬」反対訴訟の現状報告」
・寄稿 岩佐英夫 (弁護士)
「国民監視体制と表裏一体の国家総動員体制の進行を許さない!」
<連載>
・康玲子 時代の曲がり角で 第71回 「関東大震災一〇〇年の年に」
・舘明子 (アジェンダ会員) アジェンダ的 つれづれ 気まま (8)
・コミックアジェンダ 第46回 遥かなるマナーバトル
挿絵 姜花瑛
2023年12月15日発行 1冊定価660円(本体600円+税10%)
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