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キューバ 抗議行動の社会的背景を考える(2)

はじめに

 7月11日(日)にキューバ各地で政府に対する抗議行動が発生してから1か月以上が経ちました。

 抗議行動が起こった社会的背景、とくに人々が不満に感じている問題はどこにあるのかについて考える記事の続編です。

(1)インフレと生活物資の不足

 多くの人々を抗議行動に駆り立てた背景には、深刻な生活物資の不足、物価高の問題があります。

 これについては今までにも取り上げてきましたが、とくに今年1月から始まった「通貨・為替の整備」(通貨統合に関連する一連の措置)による影響は大きかったと思います。

 但し、食料品の不足についてはコロナ禍以前の2019年から悪化しており、米トランプ政権による経済封鎖の強化(主に金融面に関して)が影響していると言えます。

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チリ 憲法制定議会が始まる

はじめに

 7月4日(日)、チリで新しい憲法を起草するための憲法制定議会の初会合が開かれました。

 初会合では正副議長の選出とセレモニーが行われました。議長には先住民族マプーチェ族のエリサ・ロンコン議員が、副議長には新興左派のハイメ・バッサ議員がそれぞれ選ばれています。

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キューバ 抗議行動の社会的背景を考える(1)

はじめに

 7月11日(日)、キューバで政府に反対する人々の抗議行動が起こりました。今回は、どうしてこのような抗議行動が起こったのか、その背景にどのような問題が影を落としているのかを考えてみたいと思います。

(1)7月11日の抗議行動(各種報道から)

 この日起こった事をいくつかの報道をもとにまとめてみると概略は以下のようです。

 最初に街頭での抗議行動が始まったのは、サン・アントニオ・デ・ロス・バーニョス市(アルテミサ県。ハバナ市から南西約30キロ)と、パルマ・ソリアノ市(サンティアゴ・デ・クーバ県)でした。時間は11時30分ごろで、SNSを介して行動が組織されたと報じられています。

 訴えているのは、新型コロナウイルス・パンデミックによる医療体制のひっ迫、頻発する停電、食料・医薬品などの生活必需品の不足に対する不満です。

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チリ フェミニズム運動がもたらしたこと

はじめに

 これまで2回にわたって、チリの憲法制定議会とジェンダー平等についての記事を配信しました。今回は、もう少しその背景にあるチリのフェミニズム運動との関わりについて考えてみたいと思います。

 ただし、なにぶんにも私自身が勉強途上であるため、内容の理解に不十分な点があることをはじめにお断りしておきます。

(1)2019年10月の社会的反乱とフェミニズム運動

 この記事を書くにあたって参照したのは、『チリは目覚めた。アンチ新自由主義の反乱』(編集・発行:Tinta Limón 2021年4月)というテキストです。

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チリ ジェンダー平等からみた制憲議会

はじめに

 前回の配信記事の続きです。5月に実施されたチリの憲法制定議会選挙の中で「パリテ(男女同数)制度」が選挙結果にどのような影響をもたらしたかについて報告しました。

 今回は、パリテ原則が適用された制憲議会で、「ジェンダー平等」についてどのような議論が行われることになるのかについて改めて考えてみたいと思います。

(1)ジェンダー平等からみた制憲議会議員のプロフィール

 チリの憲法制定プロセスを分析することが目的の「El Observatorio Nueva Constitución(新憲法観測所)」という公共政策の学者・専門家たちによる共同ウェブサイトに「男女同数議会=フェミニズム議会?」というタイトルの記事(5月24日付)が掲載されています。